平成23年度第7回(通算第43回)山口国際文化学研究会のおさそい
2012/01/12
平成23年度第7回山口国際文化学研究会を以下の要領で開催いたします。皆様の積極的な御参加をお願いいたします。
日時 平成24年1月25日(水曜日)16時10分より
場所 国際文化学部棟 C-12教室
主催 大学院国際文化学研究科
発表者 稲田秀雄 大学院国際文化学研究科教授
タイトル
「狂言「武悪(ぶあく)」を読む―下人たちの知恵と機転―」
要旨
「武悪」という狂言があります。大蔵(おおくら)流・和泉(いずみ)流でも演じられますが、山口に伝わる鷺流の台本(春日(しゅんにち)庄作(しょうさく)自筆本)によると、あらすじは以下の通りです。
主人は太郎冠者を呼び出し、無奉公(ぶほうこう)(主人への奉公を怠ること。この場合は欠勤が長引いていること)の下人・武悪の成敗を命じる。やむをえず承知したものの、同輩を討つに忍びない冠者。武悪の私宅に行き、主人から預かった太刀を隠して、だまし討ちにしようとするが、覚悟を決めた姿を見て情にほだされた冠者は、武悪を逃がしてやる。帰って、主人には「みごと討ち果たした」と報告すると、喜んだ主人は気晴らしのため清水寺(きよみずでら)へ参ろうと冠者を連れて出かける。一方、命が助かったのも日頃信心する清水寺の観音のおかげと、武悪もお礼参りに行く。そこで主人と死んだはずの武悪が鉢合わせ。不審がる主人。狼狽する冠者と武悪。とりあえず姿を隠した武悪は、冠者に詰め寄られて奇想天外な策を思いつく。それは自分が幽霊になりすますことであった。…
主人・太郎冠者・武悪、三人三様のしどころがあり、通常の倍近くの上演時間を要する大曲です。山口鷺流では長らく上演されず、平成13年(2001)11月3日の定期公演で復活上演された後、平成21年(2009)10月10日の保存会結成55周年記念公演において、技術保持者の小林栄治・米本文明、及び本大学院国際文化学研究科修了生である米本太郎の3名により、再演されました。
狂言は、能とともに、猿楽と呼ばれる芸能から14世紀中頃に分化したと考えられる喜劇(コメディ)です。長い歴史をもつ古典喜劇として世界的にも珍しく、能とともにユネスコの無形文化遺産に登録されています。しかし、そのような狂言の価値や歴史は、現代の日本人にとっても十分共有されているとは言い難いところがあります。従って、「狂言をいかに研究するか」ということをお話しするためには、同時に「狂言とはいかなるものか」ということもお伝えしなければならないわけです。
そこで今回は、数ある狂言の演目の中から、以上に梗概を掲げた大曲「武悪」の構想・構造を具体的に読み解くかたちで、狂言の世界の魅力、また狂言作品研究の方法などをお話ししたいと思います。
なお、今回も会終了後、第二部の会をYuccaで開催する予定です。こちらも皆様多数の御参加をお願い致します(こちらは有料です)。
追記 第二部でYuccaに車を利用してこられる場合、駐車スペースに御注意ください。建物裏のスペースは、近隣の住宅の方が自宅用に借りられているものですから、絶対に止めないでください。